あいり3年生、問題児クラスの最後の授業参観
先日、あいりの今年度の授業参観と保護者会がありました。
毎回年度最後の時は色々と考えさせられる事がたくさんありますが今回は特に思うところがありました。。。
あいりのクラスが学校一の問題児クラス
「あいちゃんのクラス・・大丈夫?」
初めて聞かれたのは運動会が終わった頃だったと思います。
なんだか聞かれている意味がわからず「???」となっていると・・・
クラスに授業妨害している生徒がいる
立ち歩きをしたりクラスから脱走している
担任の先生がまかないきれず補助の先生が何人かついている
全く知らない状況だったので驚きました。
そして一つ数日前から気になったのがあいりが情緒不安定になっていた事
帰ってくるとイライラしたり何か話しかけても怒鳴って返してくる。どうしたのだろ?と思っていました。
学校が落ち着かないのだと気が付いてからは家ではあいりに気を配るようにしていました。
しばらくして少し落ち着いてきた所で「学校どうなの?大変?」と聞いてみると
「色んな先生が来てちょっと怖い、授業も中断するし」と学校の状況を話してくれました。
毎日寝る前などに少しずつ話を聞いて色々話してくれるようになってから最後に
「学校・・楽しい?」と聞いてみると
「うん、学校は友達もいるし凄く楽しい!」と答えてくれました。
・・・正直ほっとしました。
またあいりが学校に行かなくなったらと思うと心配だったからです。
でも学校は楽しいと言っている。
もう精神的に落ち着いているし母のフォローでなんとかなるのならあいりは大丈夫だろう。学校の状況は心配ではあるけど今は口出しせず先生の対応を待とう、そう思いました。
「もっと危機感持ってください」保護者会の出来事
2学期の保護者会、きっと何か言われるだろうなと覚悟はしていきました。
思っていた通り今のクラスの現状先生はなるべく刺激が少ないように包みながらも説明してくれました。
「40年教師をしていますが、こんなに手の掛かるクラスは初めてです」
対象の生徒の保護者の方は何度も電話で話をしたり個人的に授業を見てもらったりしてるそうなのでもう現状はご存知だったそうで
対象でない生徒の保護者、特にお家ではあまり学校の話をしないお子さんの保護者の方は衝撃だったようです。
「ご心配だと思うので授業参観はいつ来ていただいても結構です」
それが先生からの申し出でした。
話が終わったと思った頃一人のお母さんから意見がありました。
「私は色々あって定期的授業を見に来てますが酷いですよ!当たり前の事が出来ていないんです!もっと子供に危機感持ってください!」
突き刺さるような言葉でした。
とりあえずあいりは落ち着いているから様子を見ようと思っていた私は甘かったのかな、学校に子供を任せすぎていたのかな、しばらく自問自答しました。
「とにかく見に行かなきゃ」
「でも見に行ったら子供達がもっと騒いで落ち着かないかも」
「先生にご迷惑かけて申し訳ない」
「私に何が出来るのか」
この日は保護者会が終わった後も遅くまで残ってお母さんたちが話し合いをしていました。
なんだ・・みんな普通の3年生なんだ
保護者会を境に自分が何が出来るか
先生に負担を掛けない為に子供達が良い方向かうように・・・
そればかり考えていたように思います。
年末鬱っぽかったのは他にもいろいろありましたがこの事が大きかったと思います。
ふと用事があって学校の前を通りかかるとあいりのクラスは虫眼鏡を持って外に出ていました。
理科の授業で虫眼鏡で集めた日光の光で紙に穴をあけてるようです。
見てもいいとは言われていましたが邪魔をしてはいけないのでこっそり覗いていました。しばらく見ていると授業が終わっても教室に帰らない生徒がいます。
補助の先生に叱られても虫眼鏡で紙を焼くことをやめません。
あ・・きっと面白いんだ。
ふとそう思い、話しかけてみました。
「これ、面白いの?」
「誰?」
「あいりのお母さんだよ」
「そっか、これさ、上手くできないんだよ」
「そんなことないよ。出来てるよ」
「もっとさ、全部穴開けたらかっこいいじゃん」
「そうだね、紙無くなるね」
そんな話を少しみんなでしていました。
ベテランの先生がまとめられないぐらいの問題児、それが数名いると聞いていてどうなっているのかと思いましたが・・普通の3年生でした。
確かに授業の時間はしっかり守った方がいいし決まりは守れた方がいい
でもこれくらいの反抗、3年生なら許容範囲じゃないの?
手の空いてる先生を集めて生徒を規則に縛り付けていう事を聞かせるのが本当に子供達の為なのかと逆に学校の対応に疑問を持ってしまいました。
それでなくても・・・
学校でボールを蹴ってはいけない
放課後の校庭開放時間は冬季は4時まで(子供達が帰ってくるのは3:30です)
子供達に自由が無さすぎる
クラスは40人とても多い
学校側はそれとなく親の愛情不足を指摘していましたがそれだけではないように私は感じました。
オットさんも一緒に授業参観に行くこともありました。
「せっかく見に行ってフィードバックはないのか?」とオットさんが指摘するので学校側に疑問点を手紙で伝えた事もありました。
何度か授業を見に行くと生徒達も覚えてくれているようで声を掛けてくれたり挨拶してくれたり
こちらから話しかけると積極的に答えてくれる子や恥ずかしそうにする子
表現は違うけどみんな一生懸命で頑張り屋で何よりみんな友達が好きなようでした。
行事を見に行ってもお互いを励ましたり応援したり、3年生という微妙な年齢にも関わらず男女とも仲が良くて驚きました。
みんないい子、ちょっと規則からはみ出しちゃう子もいるけど、みんな普通の3年生。
何度か見に行きそう確信したので個人的に授業参観に行くのをやめました。
出来ない所をダメだと言う大人もいるけど私は出来なくてもいいと思ったし、この子達は大丈夫だと思ったからです。
あいりにも「あなた達のクラスは大変な所もあるけどお母さんは大丈夫だと思う、だからもう見に行かないけど困った時は教えてね」そう伝えました。
最後の授業参観、親はいつも子供の事で悩んでる
年度最後の授業参観は発表をします。
今年は地域の事を調べてそれぞれ発表をしていました。2年生と比べ難しい言い回しが出来るようになったり発表の仕方にも工夫が凝らされていました。
数名で何かを調べてまとめて発表というには今の子供達はディスカッションが苦手でとても難しい課題だそうですが困難ながらも頑張ったのが伺えました。
そして授業参観が終わり保護者会
先生から2学期の行事やカリキュラム、また春休みの過ごし方の説明があったあと・・今学期の様子もお話してもらいました。
「まだムラはありますが随分落ち着きがみられました。このクラスの子達は本当に優しい子が多いです。また色々な環境の友達がいる事も知りました。
誰もが同じでない、でも一緒に頑張っていこうという気持ちが育てた事は机の上だけでは学べない事です。
そういう体験をこのクラスの子達は学びました。社会に出るためには必要な力だと思います」
先生、何度も心が折れそうになった事があったそうですが子供達が可愛いという気持ちとここで負けたら子供達に負の遺産を残してしまうと堪えられたそうです。
体調も崩された時期もあり大変だったと思います。
保護者から見る子供達の成長について一人ずつ意見をいう時間もありました。
中には声を詰まらせてしまう方、「今は何も言えない」と黙ってしまう方、ただひたすら謝る方・・・色々な方がいらっしゃいました。
ただ1ついえる事は子供の事で悩まなかった人はこの場所には1人もいない
そして誰もが自分の子供が大切で可愛いと思っているんだとひしひしと感じました。
辛い事もあった1年でしたが子供も親も成長できた1年だったと思います。
1つ残念な事が今の担任の先生がクラス担任を持たれるのがこれが最後という事。
本当だったら昨年で定年退職されている予定だったので仕方ありません。
最後のクラス、穏やかに過ごさせてあげたかったのが本音です。
難しいクラスでしたが先生はあいりの事をよく見てくださり、良い所は伸ばしてくださり本人が改善したい事は全力でサポートしてくださりました。
私自身も今まで幼稚園も含め自分より年上の方に子供を見て頂くのは初めてなので親の私も励ましやアドバイスたくさん頂きました。
いくら感謝してもしきれないぐらいです。
何かお礼をと思うのですがクラスの状態がまだまだ落ち着かない所もあるので保護者から何も出来ないのは申し訳ない気持ちもあります。
子供達はあいりも含め「先生にお礼が言いたい」と言ってる子もいるようなので送別会を企画しているようです。そういった気持ちが育ってくれたのも嬉しいですし、こういうイベントも3年生になると出来るようになるんですね
色々と考えさせられる大変な1年でしたが今年身に着けた経験を活かしあいりには4年生も頑張ってもらいたいです。