人生の先輩の決断、優しい生き方をするは人生の幕引きも美しい
こんばんわ
母、かなこです。私にはこっそり母と慕う女性がいます。
今朝彼女から区切りのお便りが届きました。。。
出会いはカルチャーセンター
尊敬する先輩Aさん
彼女との出会いは今から10年程前私がまだ結婚する前の事です。
仕事で鬱になり仕事を逃げるように辞め引きこもって半年ぐらいだと思います何かしなきゃと思い立って始めたのがカルチャーセンターの朗読教室。
クラスの生徒は私とAさんともうお一人の少人数のお教室でした。
数か月ぶりに家族以外の他人と話す私は毎回ドギマギしていて教室に行くのも発作を起こす程緊張した日もありました。
最初のウチは当時お付き合いしてたオットさんが車で送り迎えをしていてくれて授業を受けて無言で帰宅。。。
他の生徒さんとの交流は皆無でしたが2週間に一度外出するのは緊張する反面気晴らしにもなっていました。
そしてカルチャーセンターに通い始めて半年、変化が起こりました。
講師の先生が事情で辞められる事になり別の先生がいらっしゃる事になりました。
その先生は今までの朗読に加え「美しい話し方」も専門にされている元CAの綺麗な先生。当時60代ぐらいだと思うのですがスっとした姿勢で歩く姿、話し方、どこをとっても品がよく、美しさって身のこなしなんだなと感じました。
先生も変わり授業も朗読に加えて他の生徒さんに前で話す3分間スピーチも始まりました。
しかも先生がその場で出したお題をテーマに即興で話すというのは難しい練習でしたが回を重ねることに楽しくなりました。
そしてクラス自体も新規になり新しく入られた生徒さんも含めスピーチで話した事を話題に話しかけられようにもなりました。
当時他の生徒さんは定年退職された方や仕事帰りのサラリーマン、子育てにひと段落された主婦の方、みなさんより20歳は若い私はかなり浮いていましたがその分可愛がって頂きました。
特にAさんは帰りの電車も同じ方向で以前の先生からのお付き合いという事もありお話しする機会は他の方よりも多かったと思います。
「こんな大人の女性になりたい」憧れのAさん
Aさんを一言で表すなら春のような人・・そんなイメージです。
朗らかで笑顔や話し方が優しく温かな人で一緒にいるとつられて笑顔になってしまう。
それでいて芯の強さを感じられる女性。
おだやかでおっとりしている反面、勤勉で活発、お子さんのいらっしゃらないAさんは勉強会に参加されたり海外旅行にもよく行かれていたようです。
「どこも素敵だけど私のお気に入りは北欧のフィヨルドが一番美しいと思ったわ」とにこやかに語られていたのが印象的でした。
朗読の先生とはまた違った雰囲気で心の美しさを外見にも表れている女性です。
帰りの電車のほんの数分の時間でしたがAさんとお話しできる時間は楽しみな時間でした。
私が結婚した時もとても喜んでくださってお祝いまで頂きました。
Wedgwoodのテーブルウェアは今でも大切に使っています。
そんなAさんともお別れの時がやってきました。
私も結婚し住まいが変わって朗読教室に通うのに遠くなってしまった事と1年半通い修了証書を貰える事になっていたので教室を辞める事にしました。
同じころAさんはご主人が怪我をしてしまったのをきっかけで今まで自営でされていたお仕事をたたみ甥っ子さんの家の近くに住む事になったのでやはりお教室を辞められる事になりました。
私もAさんも色々と事情が重なり辞める事を決めてから1月程会う事が出来ず最後にお会いできたのは教室の最終日でした。
そしてその時初めてAさんが70歳を超えていらっしゃる事を知りました。
自分の母親よりも年上の女性があんなにもハツラツとされている事にとても驚き一層尊敬しました。
「あなたなら大丈夫、元気でね。かなこさんの声が大好きだから朗読も続けてね」
その頃朗読の先生にお教室を任されていたAさん、いつかAさんのお教室に通いたいと心に決めお別れをしました。
それから一度みなさんでお食事会をし機会があるとお手紙お出しし毎年年賀状のやり取りをしていました。
あいりが生まれた時はお祝を頂き私が朗読会に出演した時はわざわざ遠方から聞きに来てくださりました。
主人や娘達に会えた事をとても喜んでくださり
「やっぱりかなこさんの声が好きだわ、来てよかった」と変わらない笑顔で声を掛けてくださった時は嬉しさでいっぱいでした。
そしてその時はもう80歳になっていただろうAさん
颯爽とヒールで歩いていく姿はやっぱり素敵だなと思う後ろ姿でした。
Aさんの決断、区切りのお便り
そんな素敵で尊敬してやまないAさんから今朝お便りが届きました。
内容は近いうちにご主人とシルバー向けの施設に入られる事、毎年の年賀状のご挨拶は終わりにする事。私たちの幸せをいつも願っている事。。。
短い文面でしたがAさんの気持ちがひしひしと感じました。
正直、若輩者の私はどうとらえていいかわからず、しばし呆然としてしまいました。
でもいつも周りに優しく温かい気持ちで接してらっしゃったAさん。
このお便りを出すのもとても大きな決断だったと思います。
ここで一度区切りを付けてしまう事は私に取ってはとても辛い事ではあるけれどきちんと終活をされているAさんのお気持ちを大切にしたいと思いました。
それでも母のように慕っていたAさんとのお別れは悲しくて今日は娘達に気づかれないようこっそり泣いていました。
まだ気持ちの整理をしたくて書いたブログの途中でも泣いてしまいそうなのでもう少し落ち着いたら私からも最後のお礼状をお出ししたいと思います。
お気を悪くさせたくないから今まで言えなかったけど母のように思っていた事、
女性として人生の先輩としてとても尊敬している事
最後にAさんのような尊敬できる女性に出会えた事が私にとって財産である事
最後のお手紙になるかもしれないから、きちんと伝えておきたいと思っています。
5年後Aさんのような女性に少しでも近づく事が出来たらいいな。
はてなブログ5周年ありがとうキャンペーンお題第2弾「5年後の自分へ」